AIホールディングスをやめて、「スキル化」に切り替えた話
前回、AIで32人のホールディングスを作った話を書きました。
あれから少し経って、 正直に言うと、 運用が回らなくなりました。
組織図は美しかった。 名前もついた。 役割も決まった。
でも、実際に動かしてみると、 「コンテキストの受け渡し」で 毎回つまずくんです。
ホールディングスの壁は「引き継ぎ」だった
たとえば、 ブログを書くAIがいて、 SNSに回すAIがいる。
これ、人間の会社だったら 「この記事できたから、SNS用にアレンジしてね」 で済むんですよね。
でもAIの場合、 そのやり取りのたびに 文脈がリセットされる。
「この記事のトンマナは?」 「読者のターゲットは?」 「どの表現がNGで、何がOK?」
全部、毎回説明し直す。
組織図は立派なのに、 引き継ぎ書が存在しない会社みたいな状態。
これ、結局のところ 僕がハーネス役になって 全部つないでいたんです。
1人で回すために ホールディングスにしたのに、 1人がボトルネックになる。
本末転倒でした。
「スキル化」という答え
そこで考え方を変えました。
組織を作るんじゃなくて、 やり方を型にする。
「ブログを書く」なら、 ブログを書くための手順を 最初から最後まで 1枚のテンプレートにまとめる。
どんなファイルを読むか。 どんなルールで書くか。 完成後のチェック項目は何か。
これを「スキル」と呼ぶことにしました。
スキルさえ呼び出せば、 誰が担当しても 同じ品質が出る。
引き継ぎ問題が、 構造的に消えたんです。
実際にどう回っているか
今、日常的に使っているスキルは20個くらいあります。
いくつか具体的に紹介すると——

「ブログ書いて」スキル。
これが一番よく使います。 テーマを渡すと、 トンマナのルール、 過去の記事との一貫性、 チェックリストまで 全部読み込んだ状態で 記事を書き始めてくれる。
前は「あのルールも読んで」「この記事と矛盾してない?」と いちいち指示していたのが、 全部スキルの中に組み込まれている。
「SNS用に回して」スキル。
ブログ記事ができたあとに使います。 Instagram用、X用、Threads用のフックを それぞれのフォーマットで一気に作る。
これも以前は、 記事を読ませて、 SNSごとの文字数制限を伝えて、 ハッシュタグの方針を説明して…… と毎回セットアップに時間がかかっていた。
今は一言で終わる。
「リサーチして」スキル。
テーマを渡すと、 まずVaultの中に既存の情報がないか確認して、 その上でWebから新しい情報を取ってきて、 まとめてくれる。
記事ネタになりそうなものは 自動でネタ帳にストックされる。
需要があるかどうかを先に調べてから 記事を書く流れが、 この仕組みで自然にできるようになりました。
品質チェックの仕組み。
スキルの中には 「完成前にこれを確認する」 というチェックリストが入っています。
過去に自分が書いた主張と矛盾していないか。 使ってはいけない表現が入っていないか。 読者に対して押し売りになっていないか。
これ、人間でもうっかり忘れることがある。 でも型にしておけば、毎回必ず通る。
ホールディングスが無駄だったわけじゃない

1つ補足しておくと、 ホールディングスの経験は めちゃくちゃ活きています。
事業ごとにフォルダを分けたこと。 本部と事業部という構造を作ったこと。 共通ルールと事業固有のルールを 分離したこと。
これがあったから、 スキルを設計する時に 「どの情報をどの順番で読ませるか」 が整理できた。
ホールディングスは設計図。 スキルは、その設計図を毎日使える形にしたもの。
順番として正しかったなと、 今は思っています。
次はClaude Codeの話をします
このスキルの仕組みは、 Claude Codeというツールの上で動いています。
美容師の僕が なんでそんなものを使っているのか。
実際にどうやって 日々の仕事に組み込んでいるのか。
次の記事では、 そのあたりを具体的に書いてみます。
読んでくれた方から、こんな声が届いています
過去の記事を実際に試してくれた方が連絡をくださいました。
自分の仕事をAIに伝えるために、まず言語化するっていう発想がなかったです。やってみたら、AIの返答が全然変わって驚きました。
— 30代・フリーランス
「AIに聞く前に、自分の仕事を言語化してみるといい」を読む →AIは若い人のものだと思ってましたが、「時間を取り戻す」って視点で見たら自分にも関係ある話だと気づきました。
— 50代・経営者
「AIを学ぶことは、時間を取り戻すことだと思う」を読む →

