ハサミは毎日手入れするのに、自分の体はノーメンテだった
ハサミは毎日手入れするのに、自分の体はノーメンテだった
立ち仕事の人に 聞きたいんですが、 体のメンテナンスって、 何かしてますか?
僕は20年、 ほぼ何もしてきませんでした。
美容師は立ち仕事です。 腰にくるし、 肩も固まるし、 手首も使う。
でも痛くなるたびに、 「職業病だから」 で済ませてきた。
ハサミは毎日手入れするのに、 自分の体は、 ずっとノーメンテだったんです。
「職業病だから」は、便利な言葉だった
美容師を20年やっていると、 体のどこかしらが だいたい痛い。
夕方になると腰が重い。 シャンプーのあとは 肩が固まってる。
でも、 周りもみんなそうだから、 「そういうものだ」と思ってた。
若い頃は、 一晩寝れば戻ってた。
でも40代になると、 寝ても戻ってない日が 増えてくる。
たまにマッサージに行く。 その日は楽になる。 で、翌週には戻ってる。
その繰り返しを、 何年もやってました。
「職業病だから」って、 便利な言葉なんですよね。
そう言っておけば、 何も変えなくて済む。
痛みと向き合うことから、 その一言で 逃げてたんだと思います。
AIに「僕の1日の動き」を話してみた
きっかけは、 ある日の閉店後でした。
腰が重くて、 床を掃きながら ため息が出た。
で、ふと、 AIに話してみたんです。
「美容師20年、 最近腰がつらい。 1日の動きはこんな感じ」
朝から晩まで、 立ち方、シャンプーの姿勢、 休憩のタイミングまで、 ぜんぶ書き出しました。
そしたらAIが、 逆に聞いてきた。
「痛みが強くなるのは、 1日のうち、 いつですか?」
…あれ。
考えたことなかった。
「夕方かな」と 思い込んでたけど、 思い返すと、 そうでもない気がする。
自分の体のことなのに、 聞かれて初めて 「知らない」と気づいたんです。
痛みには「パターン」があった
それから数日、 痛みが出たタイミングを スマホにメモして、 AIに渡してみました。
見えてきたのは、 意外なパターンでした。
痛むのは、 忙しい日じゃなかった。
予約が詰まって、 座る間もなく 何時間も立ちっぱなしだった日。
つまり、 「忙しさ」じゃなくて 「連続時間」だったんです。
もうひとつ、 シャンプーの前かがみ。
僕は無意識に、 台に対して まっすぐ立ってたんですが、 半歩斜めに立つだけで 腰への入り方が違う。
これもAIとのやりとりの中で、 「姿勢を変えられる場面はありますか」 と聞かれて、 試してみて気づいたことでした。
1人終わるごとに 2〜3分座るだけでも、 夜の腰が全然違う。
いやー、 20年も自分の体と 付き合ってきたのに、 こんなことも知らなかった。
感覚で「疲れた」と思ってただけで、 体のデータは 何ひとつ見てなかったんですよね。
休憩も「予約」に入れた
今は、 やり方を変えました。
予約と予約の間に、 2分だけ座る。
朝、お店を開ける前に、 AIと一緒に決めた 簡単なストレッチを 3つだけやる。
大げさなことは 何もやってません。
ジムにも行ってないし、 高い椅子も買ってない。
ただ、 「休憩も予約のうち」 と考えるようにしただけ。
予約表に お客様の名前を入れるのと 同じ感覚で、 自分の2分を確保する。
不思議なもので、 「空いたら休もう」だと 絶対に休まないんですよね。
予定に入ってると、 ちゃんとやる。
美容師の体って、 仕事道具そのものじゃないですか。
ハサミの切れ味が落ちたら すぐ研ぎに出すのに、 体が痛くなっても 放っておく。
冷静に考えたら、 順番がおかしかった。
体のケアは、ぜいたくじゃなくて、 お店の経営の一部だったんです。
40代になって、 体には正直、 ガタがきはじめてます。
でも、 「職業病だから」で 済ませるのはやめました。
AIが腰を 治してくれるわけじゃない。
ただ、 自分の体のことを、 ちゃんと言葉にして 眺められるようになった。
それだけで、 打つ手が見えてくる。
あと20年、 この仕事を続けたいので。
そのためには、 ハサミと同じくらい、 自分の体も 手入れしないとなと思ってます。
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