「人格を渡す」って、具体的にどう書けばいいの?
「人格を渡すといいって書いてたけど、 あれ、具体的にどう書けばいいの?」
最近、 何人かに聞かれました。
前回の記事で、 AI臭さを消すには 制約より先に人格を渡すのが大事だ、 と書いたんですが、
じゃあ その"人格"って 何をどう書くの?
という質問。
たしかに、 あの記事では 「先に人格を置いた」 としか書いてなかった。
今回は、 実際に僕がどうやって書いたのかを もう少し具体的に書きます。
まず、ほとんどの人が最初に書くこと
「あなたは美容師です」 「あなたは10年の経験があるプロです」
こういうやつ。
たぶん、 AIの使い方の記事を読むと まずこう書けって出てくると思います。
間違ってはいない。
でもこれだけだと、 AIは 「美容師っぽいこと」 を返してきます。
一般的な美容師が 言いそうなこと。
それは僕じゃないんですよね。
肩書きを渡しても、その人の考え方までは伝わらなかった。

伝えるべきは、「何を大事にしている人か」
僕がやって効果があったのは、 自分の判断基準を書くことでした。
肩書きじゃなくて、 普段どういう基準で 物事を決めているか。
たとえば、 僕の場合はこんなことを書いています。
知識を見せたいんじゃなくて、 読んだ人が一歩だけ進めることを大事にしている。
「教えてあげる人」じゃなくて、 「一緒に気づいた人」として書きたい。
専門用語を使うなら、 それが読者の生活のどこに関係するかを 必ず添える。
これだけで、 返ってくる文章の温度が かなり変わりました。
「役に立つ情報をお伝えします」 みたいなトーンが消えて、
「これ、 僕も最初はわからなかったんですけど」 みたいな入り方に変わる。
肩書きは AIに「何のプロか」を教える。
でも判断基準は、 「どんな人間か」を教える。
この差は大きかったです。
僕が書いた「人格テキスト」の構成

実際に僕が渡しているものは、 だいたいこの4つで構成されています。
1. 自分は何をしている人か(背景)
美容師歴20年。 個室のメンズサロンを経営していること。 40代以上のビジネスマンがメインであること。
ここは肩書き。 最低限の情報です。
2. 仕事で何を大事にしているか(価値観)
ここがいちばん大事。
たとえば、
- 見た目より、扱いやすさを優先すること
- 流行を追いかけるより、その人に合うかどうか
- 売り込みより、相手が自分で選べる状態を作ること
こういう判断基準を書きます。
3. 読者にどう思ってほしいか(ゴール)
「すごいな」 じゃなくて、
「自分にもできそう」 と思ってほしい。
このゴールを書くだけで、 AIの書き方が変わります。
すごさを見せつける文章と、 やってみたくなる文章は 全然違うので。
4. やらないこと(境界線)
- 煽らない
- 恐怖で動かさない
- 「みんなやってます」と言わない
- 専門用語でマウントを取らない
やることより、 やらないことを書いた方が AIには伝わりやすいことがありました。
「こう書いて」は 解釈がぶれるけど、
「これはやらないで」は 明確だからだと思います。
実際に渡すと、こう変わる
たとえば、 ブログの書き出しを頼んだ時。
人格なし:
ヘアケアで悩んでいませんか?正しい知識を身につけることで、あなたの髪はもっと美しくなります。
人格あり:
いやー、 これ前から書きたかったんですよね。 お客さんに毎回聞かれることなのに、 ちゃんとまとめたことがなかったんです。
後者の方が、 自分の言葉に近い。
でもこれは AIが上手くなったわけじゃなくて、
僕が 「自分はこういう人間です」 を先に渡したから出てきた文章です。
AIの精度が上がったんじゃなくて、渡す情報の精度が上がっただけ。
ちょっとだけ種明かしをすると
ここで少し、 裏側の話をします。
僕は普段、 ChatGPT、Claude、Geminiの 3つを使い分けています。
それぞれに 得意・不得意があって、 用途によって変えるんですが、
こと「人間っぽい文章を書く」 に関しては、 今のところChatGPTが いちばんだと思っています。
このブログの裏側も、 管理や仕組みづくりはClaude Codeで回しつつ、 実際の文章はChatGPTに書かせています。
人格テキストとの相性もあって、 渡した時の「拾い方」が いちばん自然なんですよね。
ただ、 これはモデルによっても変わります。
同じChatGPTでも、 バージョンが変われば 書き味も変わる。
この辺は また反応があったり、 需要がありそうなら 別で記事にしようと思いますが、
今の時点では、 文章を書かせるならChatGPT。
これが僕の正直な答えです。
完璧に書こうとしなくていい
ひとつだけ、 大事なことがあります。
最初から完璧な人格テキストを 作る必要はないです。
僕も最初は3行くらいでした。
「美容師。 大事にしてるのは、 押し売りしないこと。」
これだけ。
でもそこから、 AIの返答を見ながら 「ここが違うな」 と思ったら足す。
「あ、これは僕の感じじゃないな」 と思ったら、 なぜ違うのかを言葉にして足す。
その繰り返しで、 今の形になりました。
たぶん、 最初から一気に書ける人は少ない。
自分のことって、 案外わかっているようで 言葉にしづらいんですよね。
だから、 3行でいいから書いてみる。
それをAIに渡してみる。
返ってきたものを読んで、 「ここは自分じゃない」 と感じたところを足す。
人格テキストは、書くものというより育てるもの。
僕はそう思っています。

結局、AIは鏡だった
人格を渡すって、 難しそうに聞こえるかもしれないけど、
やっていることは 自分を言語化しているだけです。
何を大事にしていて、 何が嫌で、 どういう伝え方をしたいのか。
それをテキストにして渡す。
すると、 AIはそれを映してくれる。
いい鏡になるか、 ぼやけた鏡になるかは、 渡す側の解像度で決まる。
だから、 AIが良い文章を出さない時って、 AIの問題じゃないことが多いんです。
自分が自分のことを まだ言葉にできていない。
そのことに気づけたのが、 AIを使って いちばん良かったことかもしれません。
読んでくれた方から、こんな声が届いています
過去の記事を実際に試してくれた方が連絡をくださいました。
自分の仕事をAIに伝えるために、まず言語化するっていう発想がなかったです。やってみたら、AIの返答が全然変わって驚きました。
— 30代・フリーランス
「AIに聞く前に、自分の仕事を言語化してみるといい」を読む →AIは若い人のものだと思ってましたが、「時間を取り戻す」って視点で見たら自分にも関係ある話だと気づきました。
— 50代・経営者
「AIを学ぶことは、時間を取り戻すことだと思う」を読む →

